異動が発表されてから2週間引継ぎ期間が与えられ、毎日今まで担当していたクライアント先を訪ねている。直接訪問して挨拶する場合が多いけれど、距離感が区々なので、相手先によっては電話やメールで済ませてしまうこともある。
昨日電話で挨拶をしたあるクライアントとの会話。(僕:自分、客:クライアント)
僕 「専務、本日もお伺いできずすいませんでした。」(注:先輩が同日訪問していた。)
客 「ええ、いつものことですね。」
僕 「ところで、私ことで恐縮なのですが、この度の人事異動で転勤となりまして、貴社ご担当から外れることとなりまして・・・。」
客 「ああ、そうですか。本当に良かった。最近退職されるって人が多いって聞いたので、退職ではなくて異動なんですね。辞められたんじゃなくて良かった。」
僕 「ははは、忠実な社員でございますから。」
客 「ところで、転勤ってどちらに?」
僕 「ロンドンに赴任することになりました。」
客 「ああ、そうですか、良かったですね。希望出されてたんでしょ?そりゃそうですよね。良かった良かった。それでは頑張って下さい。ありがとうございました。社内のメンバーには伝えておきますので。さようなら。」
僕 「ありがとうございました。」
このクライアント、最初から一貫して苦手で、逆に先輩が気に入られているものだから自分は必ずしも顔を出す必要がないように感じられてどんどん足が遠のき、結局最後まで普通の意思疎通すらできなかった。最後の電話もこんなやり取りになってしまうなんて、本当に情けない。僕がそのクライアントをどれだけ軽視しているのかが、もうそのままに伝わっていて、自分の未熟さが恥ずかしい。単純に言うと、嫌なことを受け入れられなかったなと。猛省。
とはいっても、このクライアント以外の大半は残念がってくれるし、眼に涙を浮かべてくれる人までいて、逆に栄転だと祝福してくれる人も少なくない。異動が出された当日は上司や同僚にばかり感謝していたけれど、クライアントにも恵まれていたんだなと今更ながら思った。
あと、来週1週間。
コメント